保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

働き方改革 子育て・介護ケア、10年で仕組み タマノイ酢・播野社長に聞く

 政府が掲げる「1億総活躍社会」や女性活躍推進法の施行をきっかけに、働き方改革に注目が集まっています。社員から医師などを育てる「フューチャー制度」や有期採用の「キャリア制度」など斬新な取り組みで知られるタマノイ酢(堺市)の播野勤社長に狙いを聞きました。

斬新な社内制度〜医師など資格取得・5年有期採用

 −−若手社員を中心に1年以内に異動させるなど、ユニークな人事制度が有名です。

 ◆社長に就任した当初は社内の壁が厚く、部署間の言い争いが絶えませんでした。そこで、「そっちが悪い」と言い合っていた東京と大阪の営業をごっそり入れ替えると、それぞれの状況が分かり、言い争いが収まりました。今では理系出身者を社長室に置いたり、文系出身者を工場に置いたりしています。会社はマネジメントが大事で、社員には多くの部署を経験してほしいと思っています。

 −−社員が業務から外れて資格取得に専念できる「フューチャー制度」の狙いは。

 ◆医師だけでなく、調理師、アスリートなどの育成も全面的に支援しています。健康や運動に関わる専門家を育てることで、会社としても活動領域が広がります。この制度を使って大学医学部に編入し、医師免許を取得した現役社員は2人。将来的には我々と医療マネジメントを考えてほしいと思っています。

 −−5年間の有期採用となる「キャリア制度」のメリットは。

 ◆制度を始めた2004年当時はフリーター問題が深刻で、社会貢献の意味も大きかったです。残業なし、土日出勤なしで5年間だけ応援するから、社会人スキルを磨いてほしいという制度。5年間育てた人材が抜けるのは痛いが、定期的に若い人材が入ることで組織が活性化されるメリットもあります。

 −−新卒採用の3分の2、全社員(300人)の半数弱が女性です。出産や子育てにどう配慮しますか。

 ◆産休や育休で1人欠員が出ても、残りの人数でやろうというのが社内文化です。中途採用はしないし、派遣社員もいません。ただ、保育所不足などで貴重な人材が退社したケースもあります。いよいよとなったら事業所内保育所も考える必要があるかもしれません。高齢化の問題もあります。両親の介護で仕事が続けられないという事態が起きかねません。今後10年程度をかけ、フューチャー制度で育てた医師とともに、子育てや介護をケアできるような仕組みを考えたいと思います。