保育ニュースまとめブログ

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杉並区、待機児童解消へ保育所増改築で定員上乗せ 新設進まず

 東京都杉並区は待機児童の解消に向けて、2017年度から保育所を増改築して保育定員を増やします。地元建築士の試算によると、保育所40カ所を増改築すると今春の待機児童数の3倍の受け入れ枠を上乗せでき、大きな効果が期待できるといいます。用地難などで保育所の新設が進まない中、素早く低コストで保育定員を増やせる手法をとります。

 育児経験を持つ地元の女性建築士らがこのほど、保育所の増改築による定員増を田中良区長に提案しました。区長は「提案を参考にして区の保育が前進できるよう努めたい」と述べ、17年度予算案への関連経費の計上を検討します。

 区内には区立・私立を合わせて80カ所超の保育所があります。改修の対象箇所数や時期、定員の増加幅などの詳細は今後、詰めていく予定です。

 建築士が提案した増改築の具体例は(1)敷地の空きスペースや屋上に増築(2)事務室やホールを保育室に転用(3)水回りの設備を集約(4)収納場所をとらない寝具に変更――といった内容。定員100人規模の保育所の場合、増改築によって10~30人程度の定員増が見込めます。保育所を休業せずに増改築できるとしています。

 杉並区の4月1日時点の待機児童は136人。16年度に約1,080人分の保育定員の増員を計画していましたが、この増員幅では17年春に560人超の待機児童が出るとみられ、区は増員幅を2,220人に引き上げました。

 区の定員増加策は、区立公園での保育所新設が柱となっていますが、近隣住民から「子どもの遊び場がなくなる」といった反対意見があります。東京建築士会杉並支部のメンバーは「増改築をすれば保育所40カ所で10人ずつ、計400人の定員を増やせる」と試算しています。

 地元建築士らは増改築による定員増のほか、5歳児の保育に、小学校の空き教室を使うことも提案しました。保育所1カ所当たり20人の5歳児が小学校の空き教室を利用すると、保育所では0~1歳児を10人受け入れられるといいます。待機児童は0~1歳児が大半を占めるため、小学校の空き教室の利用は即効性のある対策となる可能性があります。