保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

ダブルケア 介護と育児、同時に担う状況に理解を 各地で講座、地域で支援実現へ 横浜のグループ /神奈川

 介護と育児を同時に担う状況になる「ダブルケア」。耳慣れない言葉ですが、高齢化が進み晩婚化で出産年齢が上がっていることから、この状況に直面する人が増えています。縦割り行政のはざまで孤立しがちなダブルケアラー(ダブルケアをする人)を支援しようと、横浜のグループが理解を広げる活動を進めています。

 活動に取り組んでいるのは一般社団法人ダブルケアサポート(東恵子代表理事)。東さんが理事長を務める子育て支援NPO法人シャーロックホームズ(横浜市西区)などが、2012年度から14年度にかけて横浜国立大大学院の相馬直子准教授、英ブリストル大の山下順子講師らが行った「東アジアにおける介護と育児のダブルケア負担に関するケアレジーム比較分析」と題する研究に協力したことがきっかけで設立されました。

 研究によると、ダブルケアは、精神的、体力的、経済的など負担が複合的。親や義理の親の世話が十分にできない、子どもの世話が十分にできないなど、介護や育児が中途半端になってしまうという悩みを抱える人が多いという結果になりました。日本では夫の無理解が一番の精神的負担として挙げられ、経済的負担感は地方で強く、都市では子育てサービスの不足が困難の主因になっているといいます。そして、介護と子育ての横断的な社会サービスの構築やケアの状況を全体的に把握して対応できる専門家の必要性を指摘しています。

 ダブルケアサポートは、地域に支え合いのネットワークをつくりケアをしている人の精神的な負担を減らそうと、ダブルケアラーに寄り添うサポーターの研修プログラムを開発。ダブルケアの当事者や経験者の声を生かしてハンドブックを作製しました。より多くの人にダブルケアについて知ってもらうため各地で講演や講習会を開いています。

 9日には東代表理事らが講師を務め、横浜市南区の大岡地区センターで「ダブルケア はじめの一歩」と題する講座(男女共同参画センター横浜南主催)が開かれました。ダブルケアの背景の解説や事例紹介が行われ、介護や子育ての経験者、子育て中の人など十数人の参加者がグループに分かれ、それぞれが抱えている問題や解決策について話し合いました。

 参加者からは「介護は突然やってくることもある。行政の支援制度などの情報がすぐに得られる手段があると良い」「認知症サポーターをもっと増やしたい」などの声が上がりました。

 横浜市旭区から参加した大学職員の女性(44)は、小学校3年と1年の子育て中で、別居している母親が病気で入退院を繰り返しており、家事を手を抜きがちなことについて、自分を責めていたといいます。しかし、「いろいろ経験してきた人の話を聞き、良い意味で開き直ることも必要だと気づいた」といいます。

 東さんは「ダブルケアラーに優しい町はすべての人が住みやすい町。ダブルケアについて知ってもらい、地域ごとに解決策を見いだしてもらえれば」と話しています。