保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

増やしたい保育所、近所はちょっと…反対続出 待機児童解消、難航

 待機児童の解消に向け、自治体が計画する保育所建設が周辺住民の反対で難航するケースが続出しています。待機児童が都道府県別で最も多い東京都の小池百合子都知事は9日に緊急対策をまとめる方針ですが、相次ぐ建設頓挫のニュースに、就労を希望する子育て中の親たちは「本当に保育所が増えるのか」と不安をぬぐえずにいます。

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△出典:日経新聞

 東京都杉並区の久我山東原公園。区は来年4月にこの公園内に保育所を開設する計画で、8月から公園の樹木や配管の撤去作業を進めています。今月下旬から建設工事に入る予定です。ですが近所に住む女性(83)は「小さな子供から大人までみんなにとって大切な公園なのに区は住民の意見を無視して進めている」と憤まんやるかたない様子です。

 同区は5月、来春までに2,220人分の保育所の定員拡大を柱とする緊急対策を発表しました。空き物件が見つからないなか、目をつけたのが区立公園でした。

 しかし、計画が明らかになった途端、地元住民の一部が猛反発。「子供の遊び場がなくなる」「防災拠点としても使われている」などと猛反対が上がりました。ただ同区は「待機児童の解消は緊急の問題。理解してほしい」としており、意見は平行線をたどっています。

 保育所建設反対問題は、千葉県市川市でも今春開園予定だった認可保育所が、近隣住民の「うるさくなる」などの反対で頓挫しています。

 同市のほかにも、世田谷区で一部の住民の反対で開設を延期。目黒区は4月に415人分の定員を増やす計画でしたが、住民の反対などで用地を確保できず定員は216人にとどまりました。苦肉の策として区庁舎に隣接する未舗装の駐車場に開設することになりました。

 都内の自治体関係者からは「必死で土地を探し回っているが、もう限界」と嘆きの声が漏れます。文京区の女性(41)は「用地確保の難しさをニュースで知るたびに『本当に増えるのだろうか』と考えてしまう」と不安が消えません。来春に職場復帰するためにも子供を保育所に入れたいが、まだメドはたっていないといいます。

 待機児童問題に詳しいNPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事は、保育所の造設について地方税である固定資産税を減免する税制改正など政策的支援の必要性を強調します。そのうえで建設を予定する土地の周辺住民とは「自治体は話し合いの場を持ち、理解を求めるしか方法はない」と時間をかけて丁寧に説明することを求めています。