プール死亡:両親が提訴 検審「不起訴不当」 認可保育所

　京都市上京区の市認可保育所「せいしん幼児園」で2014年7月、園児の榛葉天翔(しんば・あもう)ちゃん(当時4歳)がプールで溺れ、その後に死亡したのは保育士が監視義務を怠ったためとして、天翔ちゃんの両親らが21日、園を運営する社会福祉法人「正親福祉会」を相手取り、慰謝料など約4,210万円を求める訴えを京都地裁に起こしました。

　訴状によると、天翔ちゃんは2014年7月30日、他の園児約30人と一緒に園舎屋上にあるプールに入って水遊びをしていましたが、呼吸や心肺が停止した状態で見つかり、同年8月6日に病院で死亡。死因は低酸素脳症でした。

　原告側は、天翔ちゃんが溺れてから発見されるまでに一定の時間が経過していたとしたうえで、一緒にいた保育士2人が監視義務を怠ったと主張。園側には「使用者責任がある」としています。提訴後に記者会見した父親の英樹さん(45)は「提訴するつもりはなかったが、園から一度も謝罪がない。司法に責任を認めてもらいたい」と話しました。園長で正親福祉会の岡田邦男理事長は「訴状を読んでいないので答えられない」とのコメントを出しました。

　一方、事故を巡って京都地検が当時の園長ら4人を不起訴処分(容疑不十分)としたことに対し、京都第2検察審査会は処分は不当(不起訴不当)とする議決を15日付で出しました。両親が昨年3月、業務上過失致死容疑で告訴し、今年2月に不起訴となりました。京都地検は「議決の内容を精査し適切に対応したい」としています。