財務省、保育施設に国有地を活用 社会福祉法人に優遇策

　財務省は今夏にも社会福祉法人が国有地に保育施設をつくりやすくするための優遇策を設けます。土地などを借りる際に支払う保証金の免除や国有地に関する情報提供の拡充が柱。国有地の有効活用で待機児童の解消を目指します。

　財務省は2010年度、介護や保育など社会福祉分野の施設整備を対象に、国有地を一定期間貸す制度を導入しました。これまでに約40の保育施設に国有地を貸し出しています。現在、社会福祉法人が国有地を借りる場合、賃料の１年分の保証金を納める必要があります。つまり、都心の物件ほど金額が膨らみ、事業者の負担が大きくなることになります。

　保証金納付の免除は、今年１月から介護施設を対象に既に始めており、保育施設や障害者施設も対象に加えていく予定。すでに保証金を納めた社福法人には返還します。

　保証金の免除に加えて、国有地に関する情報提供も充実します。これまでも、1,000平方メートル以上の国有地の情報に関しては自治体などに提供してきました。都心を中心に小規模な保育施設の需要が高まっているのを踏まえ、今後は1,000平方メートル未満の国有地の情報も提供するようになります。