保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

待機児童 「解消」は実現できるのか

 希望しても認可保育所などに入れない待機児童の解消は、安倍晋三政権の重要な政策目標です。達成は可能なのでしょうか。疑念を抱かざるを得ない数字です。

 厚生労働省によると、今年4月時点の待機児童は2万3,553人に上り、2年連続で増加しました。加えて、「保護者が育児休業中」などの理由で集計から除外されている「隠れ待機児童」は、その3倍近い6万7,354人もいることが判明しました。

 政府は2013年度以降、年平均10万人ペースで保育の受け入れ枠を広げてきました。それでも、保育ニーズの高まりに追い付いていないということです。待機児童対策を抜本的に見直すべきではないでしょうか。

 厚労省の待機児童の集計は以前から問題点を指摘されてきました。特定の保育所を希望し、近くに空きがあっても入らない場合は集計から除外できます。保護者が育児休業中だったり、求職活動を休止していたりする場合も、待機児童と見なさなくてもよいことになっています。こうした児童を集計に含めるかどうかは、自治体の判断に委ねられています。数字上は待機児童を小さく抑え、保育サービスの整備遅れを「隠す」ことも可能になります。

 そもそも、希望する保育所に入れないために、育児休業の延長や求職活動の休止に追い込まれる保護者が少なくないのが現状です。特定の保育所を望むのも「わがまま」とは片付けられません。通勤途中や、既に兄姉が通っている施設を希望するのは当然でしょう。実態を正確に把握できるように、待機児童の要件を適切に定めることが肝要です。

 無論、待機児童の解消には、男性の育児休業取得の促進、長時間労働の是正など「働き方改革」が欠かせません。とはいえ、「質」を確保しながら、保育サービスを拡充することは喫緊の課題です。働く女性は今後も増え続けます。女性活躍推進は政権の公約でもあるはずです。保育ニーズを正確に把握し、対策を加速させる必要があります。