保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

待機児童ゼロへ 壁崩せ(3)俺が探さないと…

 「0歳児でないと保育園には入れないのか。厳しいな」。7月23日、土曜の朝。東京都中野区で開かれた「ママのための保活セミナー」に参加した会社員の奥田顕(27)はつぶやきました。

 新米パパの奥田さんの長男は生後3週間の赤ちゃんです。「ママのための」と銘打ったセミナーに男性1人でやってきたのは、来春に職場復帰を目指す妻と一緒に保育園探しを始めるため。会場で話に熱心に耳を傾けていた設計会社勤務の男性(30)は、妻が妊娠中。「何としても子どもを預けられないと困る。保育園探しは自分がやらなきゃ」

 出産後の職場復帰に備えて子の預け先を探す「保活」。今春、国会でも議論になった「保育園落ちた、日本死ね」の匿名ブログ騒動は、保育園入園の厳しさを改めて世に知らしめました。「我が子を待機児童にしたくない」。母親だけでなく、父親たちも目の色を変え始めました。

 「こんなに情報が集約されていない、アナログな世界だったとは」。東京海上日動火災保険の田寺俊之(31)さんは驚きました。妻は8月末に出産予定で仕事復帰を希望しています。7月28日、同社が開いた社員の仕事と育児を支援する会合に参加しました。

 「育児休業中は入園希望先として約40の保育園を見学。親も動員し、見学予約の電話を1時間半かけ続けた」。4月に復帰した女性社員の体験談を聞き、目を丸くしました。「妻と一緒に取り組まないと大変」。田寺さんのように保活に挑む男性社員の参加は回を追うごとに増えています。

 なかなか減らない待機児童。厚生労働省によると2015年4月時点では2万3,167人と5年ぶりに増え、7年連続で2万人を超えました。親の焦りは増し、先手必勝と手を打つ人も目立ちます。同省の調査では、産前休業入り前の妊娠中に保活を始めた人は16%。妊娠前も4%いました。

 横浜市の治田明子(41)さんも長男(0)の妊娠中に保活を開始しました。認可保育園や横浜保育室といった、国や自治体が補助金を出す保育施設への入園は絶望的でした。そこで無認可の保育園を見つけ、手付金として出産の直前に入園費用を払い込みました。12月に入園しますが、保育料は月約10万円。認可園より月3万円弱、年35万円程度高いが「職場復帰を遅らせるなんてできない」と覚悟を決めました。

 子どもの預け先がないと、仕事をする前提条件すら整いません。東奔西走を強いる保活が親たちに与える負担は大きいです。「いつまでこんなことが続くのか」。保活に直面する親たちには「ゼロの日」は遠く映ります。