待機児童:既存保育園改修を 定員増目指し意見交換

　待機児童の解消策として、既存の保育園を改修して受け入れ人数を増やす案を語り合うイベントが20日、東京都杉並区役所で開かれました。区は来春までに園の新設で2,000人規模の定員増を目指しています。イベントは東京建築士会の女性委員会が企画し、区内を中心に保育園長ら約70人が参加しました。実際の改修例や、区内の認可園をモデルにした改修案を踏まえて意見を交わしました。

　収納スペースや事務室などの配置を見直して保育室を拡張するアイデアや、老朽化したトイレなどを一新して使いやすくする方法が提案されました。園庭の面積を維持しながら、100人規模の園で2割以上の定員増が見込める案も出ました。

　また、米国の例から、5歳児を小学校内に設けた分園で保育して入学準備をスムーズにしながら、低年齢児の受け入れ枠を増やす方法も紹介されました。

　イベントを発案した東京建築士会杉並支部長の村上美奈子さんは「待機児童対策は、園の新設だけでは追いつかない。イベントを通して多くの人に知ってもらい、区にも検討してほしい」と話しました。

　田中良区長はあいさつで「(提案を)参考にさせていただき、区の保育を一歩でも二歩でも進めたい」と述べました。