保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

訪問型病児保育「リスマイリー」代表理事・山口真由美さん /栃木

大切な仕事広めたい 山口真由美さん(42)

 働く女性の子育てを応援しようと、宇都宮市の山口真由美さん(42)が、訪問型病児保育「リスマイリー」を設立しました。「近くに頼れる人がおらず、病気の子どもの預け先に困る女性は多い。訪問型病児保育を広めていきたい」と語る山口さんに、設立の経緯や特徴などを聞きました。

−−リスマイリーを設立したきっかけは。

 私は大阪府出身ですが、結婚を機に宇都宮市に住むことになりました。2人の息子がいまして、下の息子が小学6年生の時に離婚し、シングルマザーになりました。息子が熱を出したとき、家に置いていくことに後ろめたさを感じました。しかし、離婚したばかりで生活のこともあり、やむをえず仕事に行きました。家に置いていくこともできましたが、これが2歳や3歳の子どもであれば、とても置いてはいけません。

 日本病児保育協会の調べでは、子どもが病気になった時の対応として最も多いのは「母親が仕事を休む」でした。県都宇都宮市でも病児保育施設は6カ所、定員約30人です。シングルマザーや働く女性にとって、病児保育はもっと必要だと感じました。「訪問型」の病児保育は、知人に聞いて知りました。私の故郷・大阪でも盛んで、大阪にいる母親にも「大切な仕事」と後押しされました。

−−通常の病児保育との違いは。

 県内には病院などに併設された施設型の病児保育はありますが、急な発熱で保護者が子どもを迎えに行く場合は、早退や遅刻が必要になり、給料が減ったり会社に居づらくなったりします。しかし訪問型であれば、会社から直接家に戻ることができ、負担は軽減されます。また、施設型では預かる数に限りがありますが、リスマイリーは登録さえすれば必要なときに訪問できます。リスマイリーは「笑顔」の意味を英語とラテン語からもじってつけました。子どもも親も笑顔でいられるよう願いを込めています。

−−具体的にどのように利用するのですか。

 個人では入会金が1万2,000円、月会費が保険料込みで1,500円。保育料は会員であれば1時間1,500円です。行政からの補助がなく高額になりますが、今後は企業との連携を考えています。また、電車の便のいい首都圏と違い、車社会の地方都市で、訪問型の病児保育を行っているところはあまり例がありません。私たちがモデルケースになると思います。郊外にも訪問に行き、いずれは茨城県などにも行けるようにしたいと考えています。

−−利用者へのアドバイスを。

 私のように、近くに頼れる身内のいない働く女性や、シングルマザーの方は多いのではと思います。リスマイリーは法人会員の枠もあるので、企業で訪問型病児保育を後押ししてもらえたらと思います。