保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

人気の子育て支援タクシーが需要増 採算性が課題、助成制度に期待

 子育て世代に優しいタクシーが人気です。保育園や塾に通う子どもが1人でも安心して利用できることから、共働き世帯の増加傾向を背景に埼玉県内でも需要が高まっています。地域の子育てを応援しようと、全国子育てタクシー協会(横浜市)では「子育てタクシー」(登録商標)として普及を図っているほか、「キッズタクシー」などの名称で独自のサービスを展開する会社もあります。

■子ども1人でも安心

 「お迎えに上がりました」。午後2時半ごろ、さいたま市内の保育園に大宮自動車(同市大宮区)のドライバー根岸亮平さん(31)が到着すると、女児が元気良く駆け寄ってきました。女児は両親が共働き。これから学習塾へ向かうため、1人でタクシーに乗ります。

 「子育てタクシー」のハンドルを握れるのは、全国子育てタクシー協会の加盟社で、協会指定の養成講座を受講したドライバーに限られます。根岸さんは保育士から荷物を受け取ると、専用のステッカーが貼られた車まで女児をエスコート。優しく丁寧にチャイルドシートに乗せました。「少しでも、忙しい親御さんのお役に立てればうれしいです」

■地域貢献を実感

 全国子育てタクシー協会は、2006年6月に設立。地域の子育て支援団体と連携しながら、「子育てタクシー」の普及を図っています(基本的に通常のタクシー料金で利用可)。大宮自動車は地域貢献の一環で12年から協会に加盟。共働き世帯を中心に需要は年々拡大し、現在の登録数は約1900件、利用は年間1千件を超えます。

 ドライバーの養成費用やチャイルドシートの購入費などを踏まえると、単独ではほとんど利益が出ていません。それでも小谷英嗣専務は「子育て世帯のサポートを通じて地域貢献を実感できるので、乗務員の仕事に対するモチベーションが上がった。企業のイメージアップや子どもの送迎以外の利用増にもつながっている」とメリットを話します。

 一方、つばめタクシー(さいたま市浦和区)では「キッズタクシー」と称して、独自のサービスを展開(30分2980円)。同社は「もともとは“陣痛タクシー”だったが、顧客ニーズに応じて始めた。利用は年々増えている」といいます。

■自治体も後押し

 子育て支援サービスを行うタクシー会社は、大手を中心に増加傾向にあります。同協会の担当者は「女性活躍推進の観点からも重要な取り組み」と話します。ただ、採算が合わないなどの理由から、まだ大半が手掛けていないのが現状ですだ。今年3月末時点の同協会加盟社は29道府県で133社、埼玉県内では6社にとどまります。

 事業者の参入を促そうと、山形県秋田県岐阜県などの自治体では助成制度を導入。沖縄県ではドライバーの養成費用についても、一部を助成する制度を始めました。

 同協会と連携している「認定NPO法人子育て支援みるく」(越谷市)の青木照代代表は「2人目、3人目の出産を控えた女性は、夫が仕事中に陣痛が来ることを考えると、不安に感じる人が多い。安心して産んでもらうためにも、タクシーの子育て支援サービスは必要。各自治体が母子手帳と一緒にタクシーチケット(費用は自治体が負担)を交付するなどの助成を行えば、取り組みが広がるのでは」と話しています。