保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

16年度経財白書 子育て世代の負担軽減を 将来不安で消費伸びず

 政府は2日、日本経済の課題や進路を示す2016年度の年次経済財政報告(経済財政白書)をまとめました。賃金や雇用の改善に比べて個人消費が弱く、景気回復の足かせになっていると指摘。子育て世代の将来不安による節約志向の強さが背景にあると分析しました。保育料や教育資金の負担を和らげるとともに、非正社員の待遇を改善し、正社員との格差を是正する政策の導入を求めました。

 石原伸晃経済再生担当相が2日の閣議に提出しました。白書は賃金の上昇は続いていますが、賃金の総額を表す「雇用者報酬」に対する消費支出の割合は14、15年度と下落しており、賃上げが消費増につながらない状況が見て取れると指摘しました。

 年代別に見ると、世帯主が39歳以下のサラリーマンの「子育て世代」は所得が増えても消費が伸びない傾向が特に強いです。非正社員の割合が高く、将来の生活設計が立てづらいことに加え、子育てに多額の出費を迫られるため、消費に慎重な姿勢を取っているとの見方を示しました。食料など生活必需品の価格上昇や14年4月の消費税増税の影響もあるとしました。

 白書はこうした分析をもとに、子育て世代の消費拡大には、「同一労働同一賃金」の原則を浸透させ、非正社員の待遇改善を求めます。また出産や育児と仕事を両立できるよう、長時間労働を抑制して在宅勤務などの多様な働き方を実現するほか、保育所学童保育の整備が欠かせないと訴えました。

 また、60代前半の無職世帯も所得がなく年金の支給もないため、消費を抑える傾向が強いと指摘しました。安定収入が得られるよう、定年延長に踏み切る企業の支援が必要だとしました。

 賃上げや最低賃金の引き上げの継続も重要だとしつつ、働きたい人が働ける環境の整備こそが根本的な問題解決に必要だと強調。

白書では企業の設備投資にも触れ、好業績にかかわらず水準は低いと分析しました。政府はITや人工知能(AI)の技術を活用する新市場の開拓を後押しするなど、企業が将来の成長を見込める環境を整えるべきだとしました。