未婚親にも寡婦控除 佐賀市も不公平解消

　佐賀市は1日から、配偶者を亡くしたり、離婚したりした場合に受けられる税法上の「寡婦(夫)控除」を、婚姻歴のない「ひとり親」世帯にも適用する運用を始めました。婚姻歴の有無による福祉サービスの不公平を是正するためです。保育料や放課後児童クラブなど全16事業が対象となり、利用料が減額される場合があります。

　対象は、20歳未満の子どもと同じ生計で生活している婚姻歴のない母親や父親。市こども家庭課によると、妊娠して結婚せず出産、育児することを選択した女性が当てはまるケースが多く、養子縁組で育てるひとり親も該当します。前年の所得合計額などによって、対象にならない場合があります。結婚経験のある人同様とみなして適用されれば、所得控除額が所得税で27～35万円、市民税で26万～30万円となります。

　対象事業は保育料、放課後児童クラブ利用料、高等職業訓練促進給付金、市営住宅使用料など。市によると、市内で250世帯が適用対象になります。所得控除で非課税となった場合、保育料月額9,200円が無料になったり、放課後児童クラブ利用料月額3,000円が半額になったりします。

　ただ、すでに非課税の場合などで適用されても負担が変わらないケースもあります。県内では、杵島郡白石町が2015年4月から保育料と町営住宅使用料で同様に適用しています。

　市こども家庭課は「婚姻歴の有無で不公平にならないよう、『みなし適用』することにしました。対象者は窓口を訪ねてほしい」と話します。窓口で申請書を配布しています。

問い合わせは同課、電話0952-40-7292。