保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

「育休延長」再び 待機児童問題に効果はあるか?

現行の1年半から約2年まで延長

 先週、政府は保育園の増設が間に合わないため、給付金がもらえる育休を現行の1年半から最長約2年まで延長する方針を固めたことが報道されました。通常は1年ですが、保育園に入れない場合は半年延長できます。しかし、そのまま退職する人が多いため、さらに半年程度延長するということのようです。

 現在の育児休業給付金は、最初の半年間は休業前賃金の67%、その後は1年半まで50%が支給されます。昨年度は約30万人が利用し、受給総額は約4,100億円だったそうです。もちろん保育園を早急に増設するのがいいのですが、1軒建てるだけで近隣の住人たちともめ事になったりしていますし、都市部ではコストも高いでしょう。一朝一夕にはいかないので、苦肉の策として育休延長策が考えられたようです。

「役割固定化」「浦島太郎」……様々な「副作用」も

 なんとなく既視感がある政策ですが、2013年の「3年抱っこし放題」を思い出す人も多いのではないでしょうか。賛否両論をもって迎えられ、結局少子化改善の起爆剤とはならなかった育休延長ですが、前回は産むモチベーションの向上が目的だったのに対し、今回は待機児童対策としての提案のようです。

 保育園に入れなかったから育休を半年間延長したところで保育園に空きが出るはずはありません。1年間「保活浪人」できればその間に保育園に入れる人もいるでしょうが、次の年に産む共働き家庭が極端に減らない限り、待機児童は減らせないでしょう。それに、育休が2年もあれば、育児と家事は母親がするものと役割が固定化してしまいますし、「浦島太郎」になって職場に戻れるか不安な人が多いことも以前から問題視されています。

 そして、育児休暇を実際に取得できる人というのは、かなり恵まれた人だと思います。私は2回出産していますが、1回目は大学院生で2回目は非常勤勤務のため、育休とは無縁です。「仕事が休めて給料の一部が保証されるなんて、うらやましいなあ」、としか思ったことがないんです。育休を取るにはまずは正規雇用でないといけませんし、制度として存在しても取得できない雰囲気の職場では意味がありません。

待機児童対策、ほかにも様々なアイデア

 待機児童対策としては、病児保育を行う「NPO法人フローレンス」の駒崎弘樹さんがいろいろとアイデアを出されていますが、とにかくできることをやって受け入れ枠を増やしていただきたいです。育休を延長することに関しては、苦肉の策としては意味がないとは思いませんが、期間を区切るよりは、保育園に入れないために復帰できない場合でも退職させないというようにする方がいいと思います。

 出生率が日本一低い東京都では、現在都知事選の真っ最中です。待機児童対策が重要な政策として注目されているので、今後を注視したいです。