怒ることで生まれるストレスを減らすアンガーマネジメントとは？

　私は普段、マナー講師として人に伝える仕事をしています。人に何かを伝えるということは、自分自身がそのことを納得し、それを誰かに伝えたい・教えたいと思う感情が生まれないと、上手く相手に伝わらないと思っています。

　私が、アンガーマネジメントファシリテーターになったのは、私自身が、このアンガーマネジメントの効果を実感出来たからです。このアンガーマネジメントに出会ってから、怒ることに対してのストレスが確実に減りました。自分自身が効果を実感出来たからこそ、このアンガーマネジメントを多くの方に伝えたいと思ったのです。
　今、自分自身のイライラや怒りの感情でストレスを感じている方、怒ってばかりの自分に嫌気がさしている方に是非お伝えしたいと思い、今回記事を書かせて頂いています。

怒りの根底にある自分の考えが一番正しいという思いこみ

　私は、2人の小学生の子どもを持つ母です子育てをしていると、楽しいことや、子ども達の成長を楽しめることもたくさんあります。しかし「楽しい。幸せ。」と感じることばかりではないことも事実です。

　子育ては、どうしてこんなにも、期待を裏切られるのだろう、思い通りに子どもは動いてくれないのだろう、どうしてこの子は他の子どもみたいに、じっと座ってレッスンを受けてくれないのだろう、何故、いつも先生に怒られるのだろう…等考えてしまうことがあります。
　子どものそういった行動を、全て子どものせいにして、「何故怒らせることばかりするの！！どうして言うことを聞かないの！！あぁしなさい！！こうしなさい！！」など、気が付いたら、自分の中にあるレールの上に子どもを誘導しようとしていることはありませんか？そんな子育ての思いがある中、私は、1人1人自分の「べき」を持っていることを、アンガーマネジメントで学びました。
　「先生だったらこうするべき」「子どもだったら親の言うことを聞くべき」「夫だったら言わなくても理解するべき」など、私達は心の中にこの「べき」をたくさん作り上げています。そして、この自分の「べき」が正しいと思い込んでいるのです。そうです。私達は、自分の思っていること・行動が一番正しいと思っているのかもしれません。だから、目の前でこの「べき」を裏切られたとき、「普通はこうするでしょう！！」という風に怒りの感情が芽生えてくるのです。

　先程の子育ての話しを考えてみると、親の心の中には、「きちんとするべき」という恐ろしい「べき」を持っているのです。子どもの「べき」もあることなんて考えもせず、自分の「べき」が正しいと思い込んで、子どもは間違っていると決めつけていたのです。

　アンガーマネジメントを学ぶと、自分の「べき」と他人の「べき」の違いを知る事が出来ます。自分と他人は違う「べき」を持っていることを知り、相手を思いやる気持ちのゆとりが出てきます。その結果、怒りを抑えることが出来るのです。

アンガーマネジメントを学び怒りと上手に付き合う

　子育てをしていると、時には、子どもを感情的に怒ってしまい後から後悔してしまったり、怒った後の脱力感を感じることがあります。クレームのお客様に対して怒りをぶつけてしまったり、言葉に表せない程のストレスを感じてしまったり、上司や先輩・または後輩の態度に対してイライラしてしまったり、自分に余裕がなくなると、つい自分より立場が弱い方へイライラをぶつけてしまったり・・・私達はこの怒り・イライラ・ストレスという言葉と隣り合わせです。
　この怒りやイライラは大人に限らず、子どもも同じように感じています。私達ファシリテーターは、このような怒りやイライラと上手に付き合う方法を皆様にお伝えしていきます。毎日のように、悲しすぎる事件が起きています。イラッとして刺した、恨みを持っていて刺した・・・等、毎日日常的に怒りが原因となった事件が異常に多発していると感じませんか？私は、そんな事件を見るたびに、このアンガーマネジメントをもっと広めることが出来たら、事件が減るのではないかとも思っています。怒りの連鎖を断ち切る方法を１人でも多くの方に学んで頂き、怒りと上手に付き合う方法をお伝えしたいという思いで活動をしております。

　今日ご紹介した「べき」の違いは、アンガーマネジメントの序章に過ぎません。自分自身のイライラや怒り・周りのイライラや怒りに気持ちが落ち着かない方は、是非このアンがーマネジメントを学んで頂き、少しでも怒りに対するストレスをなくしていきましょう。