保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

子育て支援 実効性ある政策提言を求めたい

2015年国勢調査速報で、総人口のうち高齢者がついに4分の1を超えました。全都道府県で65歳以上が15歳未満より多くなり、少子高齢化が急速に進む現状があらためて浮き彫りになりました。愛媛の高齢化率は全国平均を3.9ポイント上回る30.6%。地域の維持や介護など深刻な問題に、全国に先駆け直面します。 
 社会保障費は膨らみ、現役・将来世代の負担はますます重くなります。ですが、子育て世代の多くは高齢社会を支える以前に、保育や労働の厳しい状況下で、自らの生活の安定さえ確保できないでいます。介護や年金の制度を充実させるのはもちろんですが、若い世代を支える政策をより重点的に進めなければなりません。 
 労働者の4人に1人が非正規の今、共働き世帯は増え続けています。介護や子育てをしながら安心して働ける制度は最低限の社会基盤です。安倍晋三首相は不足する労働力の補充に向け「1億総活躍」をうたい、女性の就業を促します。単なる「穴埋め」でなく、真に豊かな社会へ、男女にかかわらず能力を発揮できる環境を整えてもらいたいです。 
 結婚や出産でやむなく退職し育児後に非正規などで復職。国勢調査速報では女性の年代別労働力率の「M字カーブ」が依然残っていました。 
 女性たちの多くは、働こうと思っても、わが子を預ける保育所さえ見つけられません。昨年4月時点で待機児童は2万人を超え、親が育児休業中などの理由で自治体が計上していない潜在的な待機児童は少なくとも6万人いるとされています。待機児童問題は「保育園落ちた」ブログをきっかけに、かつてなく注目され始めました。この動きを逃さず今度こそ改革につなげたいところです。 
 ですが、参院選公約で各党がこぞって打ち出した解消策を見ると、不足する保育士の賃上げ額を競うにとどまっています。自民党は50万人分の保育の受け皿整備に向けて、月給を2%(約6千円)増やすと主張。技能や経験を積めばさらに上乗せするといいます。民進、共産、社民の各党は月5万円増。共産党はさらに毎年、月給を1万円ずつ上げ、5年後に計10万円増やすとしました。他の党もそろって待遇改善や支援拡充を訴えます。

他の職種に比べて低い待遇の改善は喫緊の課題であり、異論はない。しかし、各党とも肝心な財源が不透明で実効性が疑わしいです。重要なのは額の差ではなく、保育士が安心して働き続けられる、より良い保育環境をどう整えるかです。安倍政権は賃上げに言及する一方で、より少ない保育士で多くの子を預かれるよう規制緩和を進めています。保育士の負担をさらに重くし、保育の質を下げ、安全を軽視することは到底容認できません。

仕事と子育ての両立を当たり前にするには長時間労働解消などの働き方改革も欠かせません。若い世代を支え、深刻化する少子高齢社会を乗り切るための実効性ある政策提言を求めたいところです。