「児童虐待」通告が昨年の３倍ペース 警察との連携強化で 滋賀

　児童虐待の疑いがあるとして、滋賀県警が滋賀県子ども家庭相談センター（児童相談所）に通告した人数は、今年に入ってから4月末時点で161人となり、すでに昨年１年間の実績（148人）を上回っています。虐待の疑いのある事案は全件通告するという方針を今年から導入したためで、県警は早期の対応につながっているとして今後も方針を徹底させます。

　県警はこれまで、虐待の疑いがある事案を把握しても、虐待かどうかはっきりしない場合は、児相など他機関へ連絡することは多くはありませんでした。ただ、今年1月に埼玉県狭山市で警察署が通報を数回受けていたにもかかわらず、3歳女児が虐待死する事件が起こるなど、虐待事件が深刻化していることから、早期に他機関と情報共有を図るよう方針を変更しました。

　変更後は、警察署に虐待の疑いがある事案の通報が入った場合、県警本部にも連絡し二重のチェック体制を取っています。また、児相にも通告することで記録を残してもらい、対応の迅速化を図ります。

　県警少年課は「前もって関係機関が情報共有することで、早期の対応が可能になってきた」と話しています。今後、医療機関などとの連携強化も図っていくそうです。