待機児童の対象拡大へ基準見直し検討始まる

　保育所などの空きを待っている待機児童について、「基準が実態に合わず、公表された人数が少なすぎる」という批判が出ていることを受けて、厚生労働省は待機児童の基準を見直す検討を始めました。

　厚生労働省は待機児童の基準を「保育の必要があるのに、保育所などに入れない子ども」と定義して、ことし4月の時点で全国で合わせて2万3,500人余りと公表しています。

　一方、自治体の判断によって、自宅から離れた施設を提示されて断ったり、施設が見つからずに育児休業を延長したりしている場合は、待機児童とされないケースがあるため、保護者などから「基準が実態に合わず、公表された人数は少なすぎる」という批判が出ていました。

　これを受けて、厚生労働省は待機児童の基準の見直しに向けて保育の専門家や自治体などで作る検討会を設け、15日、初めての会合を開きました。このなかで委員からは「通いやすさや保育の質などを考慮して保護者が通わせない場合も、待機児童とすることを検討すべきだ」といった意見が出されました。

　厚生労働省は年内にも議論をまとめたうえで、待機児童の基準を見直し来年度までに全国の自治体に示すことにしています。