保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

奈良町からくりおもちゃ館 時忘れる手作り玩具 /奈良

 江戸時代のおもちゃで遊べる「奈良町からくりおもちゃ館」(奈良市陰陽(いんよう)町)が今月、2012年4月のオープン以来、入場者延べ20万人を記録しました。南都暦(奈良暦)を作る陰陽師(おんみょうじ)が住んでいた陰陽町には、そのゆかりの神社もおもちゃ館に隣接して立地し、不思議で楽しい雰囲気を醸し出しています。

 明治時代の町家を改装したおもちゃ館は木造2階建て延べ約270平方メートル。吹き抜けの土間や明るい障子が開放感を感じます。所蔵するおもちゃは約600点で、約200点が江戸時代の復元おもちゃ、残りが郷土玩具です。常時約20点を展示する復元おもちゃは実際に触って遊べます。

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△出典:毎日新聞

 「鞦韆(しゅうせん)人形」は箱の両側の人形が砂からくりで鉄棒を回るおもちゃ。「牛若・弁慶」は竹管の胴体に糸を通して手元で操作する「管人形」の一種。「引き出し絵」はひもを引っ張ると美人画がお化けにかわる夏らしいおもちゃです。「素朴なおもちゃで、子どもが喜ぶのがやりがい」と話すスタッフの一人、荒尾建三さん(73)は元電機メーカーの営業マン。モノを通じてお客さんを笑顔にする仕事は現役時代と同じです。

 これらの手作りおもちゃは、奈良大学長も務めた同大名誉教授の鎌田道隆さん(72)が奈良市に寄贈したものです。江戸時代の歴史が専門の鎌田さんは同大教授時代、学生らとわらじで旧街道約140キロを歩く伊勢参りを実践するなど、「実験歴史学」を提唱。古文書を元にしたからくりおもちゃ復元もその一環でした。おもちゃ館は鎌田さんが行ってきた手作りおもちゃの紹介活動を続ける目的で市が建設。鎌田さんが理事長を務めるNPO「からくりおもちゃ塾奈良町」が指定管理する形で開設されました。

 「竹の弾力や和紙の軟らかさなど素材の特性を知り、自然と共に生きてきた人々の豊かな感性に触れることができる」と館長の安田真紀子さん(50)はからくりおもちゃの魅力を語ります。安田さんは鎌田さんの元ゼミ生。「鎌田歴史学」に魅せられ、「おもちゃを通じて昔の人々の知恵を知る」という実践も引き継ぐことになりました。

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△出典:毎日新聞