保育士確保へ学費と再就職準備金 貸付開始、一定期間働けば全額免除

　保育士不足の解消につなげようと福井県は本年度、保育士資格取得にかかる学費と、保育士として再就職するための準備資金を貸し付ける事業をスタートさせました。学費は2年間で最大160万円、準備資金は20万円を無利子で貸し付け、県内の保育所で一定期間働けば全額免除されます。

　学費の貸し付けは、保育士の養成施設(大学、短大、専門学校など)に在学中で、卒業後に県内の保育所で働くことを望む人が対象。月額5万円を上限に原則2年間貸し付けるのに加え、初回に入学準備金、卒業年度に就職準備金＠としてそれぞれ20万円を加算することができます。県内の保育所などで5年間働くと、返還の必要がなくなります。10人程度を予定、申し込み締め切りは8月末。

　準備資金は、保育士の資格を持ちながら何らかの事情で離職した人や、勤務経験がない人が対象になります。20万円を無利子で貸し付け、保育所で使う被服費や研修費、通勤用自転車などの購入費に充ててもらいます。県内の保育所などで2年間働けば、返還は免除。50人程度(先着順)を予定しています。

　県内保育士の今年3月の有効求人倍率は2.63倍で、全国の1.77倍を大きく上回るなど、人材不足が深刻化しています。県子ども家庭課の担当者は「結婚や出産などの事情で職を離れた“潜在保育士”は県内にも多くいると思われる。貸し付け制度を活用し、保育士の確保につなげていきたい」と話しています。

申請、問い合わせは県社協地域福祉課 (0776-24-4987)