保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

育休の見直しは幅広い視野で

 政府は今回まとめた経済対策で、育児休業の期間延長を打ち出しました。労使の代表者が入った審議会で検討し、2017年度の実現を目指すといいます。ただ育休の延長には、解決すべき課題があります。幅広い視野に立ち、議論を深めてもらいたいところです。

 現行では、育児休業は原則として子どもが1歳になるまで取得できます。保育所に入れない場合は、1歳6カ月まで延ばすことが可能。育休中は育児休業給付金を受けとることができます。今後は、最長で2歳までとすることを視野に、検討が進む見通しです。待機児童問題が深刻ななか、休む期間の選択肢が増えれば、助かる人はいるでしょう。

 ただ、同時に考えるべきことは多いです。そもそも、育児休業を取りにくいという人は少なくありません。日本では働く女性の6割が、第1子出産を機に退職しています。必要に応じて制度を使いやすくする工夫が欠かせません。

 男性の育児をもっと促すことも重要です。15年度の男性の育休取得率は2.65%でした。過去最高の数字ですが、「20年に13%」という政府目標との開きは大きいです。父母がともに育休を取得する場合、1歳2カ月まで休める制度もあるが定着は道半ばです。日常的な育児も女性が多く分担しています。

 休む期間が長くなれば、復帰のハードルは高くなりやすいです。女性に育児の負担が偏っている現状が変わらないまま、延長の議論だけが進めば、女性の活躍の面でマイナスが生じる可能性があります。仕事や家計の状況により、早く復帰しなければならない人もいます。長時間労働を見直す、柔軟な勤務形態を用意する、有給休暇を取得しやすくします。こうした働き方改革を企業が進め、国も後押しすることが必要です。

 もちろん、保育所の整備を着実に進めることは欠かせません。人口減が進むなか、男女ともに子育てをしながら、職場で力を発揮できる環境をどう整えるか、その一環としてこの問題を考えたいところです。