保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

休日保育、導入進まず 中部9県の自治体4割に満たず

 日曜や祝日に子どもを預かる休日保育を実施している自治体は、中部9県で122市町だけで、全体の4割に満たないことが本紙の調べでわかりました。未実施の自治体は「保育士の確保が難しく、保育所の協力が得られない」などと説明しますが、サービス業などで働く共働き家庭からは「休みのやりくりは限界。もう仕事を続けられないかも」という悲鳴が上がっています。

 「土日は夫に見てもらえますが、祝日は私も夫も出勤。勤務のやりくりが悩みです」。百貨店に勤務する愛知県内の女性(38)は困惑した表情を浮かべました。

 小学校三年と保育所に通う息子二人を育てます。地元の自治体に休日保育を行う保育所はありません。会社員の夫は基本的に土曜と日曜が休みですが、祝日は出勤。女性の今の所属は土日祝日に交代で休めるため、何とかやりくりできていますが、売り場担当になると難しいです。

 安倍政権の主要政策「女性活躍」の言葉が、この女性にはむなしく響きます。「自治体によって子育て支援の充実度が違うのは仕方ないが、女性活躍というのなら整備してほしい」

 この自治体の担当者は「保育士や予算の確保など、実施するには難しい問題があります。現在のところ導入は難しい」と話します。

 一方、休日保育を実施している名古屋市に住む会社員男性(45)は6月下旬、娘二人を預かってもらうため休日保育に申し込もうとしましたが、「もういっぱい」と言われ焦りました。外せない仕事が入ったのに加え、サービス業に勤務する妻は週末は仕事のためです。

 結果的に、保育所が保育士の休日出勤を急きょ増やして対応し、男性は娘を預けることができましたが、「数日間は頭を悩ました。休日保育の受け入れ人数が少なすぎるのでは」と話します。

 休日保育のニーズは特に都市部で高く、同市は市内全16区で1カ所ずつ実施しています。ただ、多くの保育所は毎回予約でいっぱいで、利用できない子が出ています。同市担当者は「本年度に入って利用者が急増している。対応を考えたい」としています。

 本紙が各県ごとに実施自治体の割合を調べたところ、▽愛知44%▽岐阜24%▽三重38%▽静岡31%▽長野23%▽滋賀58%▽福井59%▽石川74%▽富山80%-でした(調査は2014~16年度)。富山、石川、福井、滋賀の四県が半数を超えました。

 休日保育を実施できない背景には、深刻な保育士不足があります。通常の保育所運営をぎりぎりの人数で行っており、「休日保育を行う余裕がない」(ある保育園長)といいます。

 首都圏と全国の政令市を対象に毎年、保育の充実度を調べている「保育園を考える親の会」(東京都豊島区)の普光院亜紀代表は「休日保育のニーズは必ずあり、特にひとり親家庭では他に頼れない人もいます。自治体は拠点場所だけでも実施する必要がある」と指摘しています。