保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

待機児童対策 子育てどう支えるのか

 待機児童の解消に保育所の増設は待ったなしですが、保育士や用地の不足などで難航しています。保育士が意欲を持てる待遇改善などに各党は競い合ってほしいところです。

 厚生労働省の集計では、2015年4月時点の待機児童数は全国で23,167人。前年の21,371人から5年ぶりに増えました。このほか国の基準に満たない認可外施設に入るなどした「潜在的待機児童」が6万人と数えられます。親たちが理不尽な「保活」に苦しまないよう、支援をどう充実させるのでしょうか。

 各党公約を見ると、自民は保育施設を来年度末までに50万人分増やすと明記。公明は小規模保育の拡充などで対応するとしています。

 しかし、保育士不足で保育所を開園できないケースが相次ぎます。保育士の給与は保護者から徴収する保育料と、それに加算される公的な補助金によってまかなわれますが、全職種平均に比べて月額11万円も低く、官民の格差も大きいです。保育料は公定価格で決まっているため、給与を引き上げるためには補助金を投入するしかありません。

 自公両党は保育士の待遇改善を掲げ、安倍政権が参院選前にまとめた「一億総活躍プラン」は、来年度から給与を月平均で6,000円、ベテランには最大で月4万円引き上げる方針を打ち出しました。

 一方、野党四党の公約は、「保育の質の向上と拡充」「保育士の待遇の大幅改善」を掲げます。民進、共産、社民の三党は、保育士の賃金の上げ幅を月平均5万円とし、実行のためには年2,800億円余の予算が必要だと見積もっています。

 保育士の離職を防ぎ、資格を持つ人に意欲を持ってもらえるレベルまで引き上げることが大切です。優先度を上げてでも待遇改善のための財源は確保すべきです。

 若い世帯では共働きが主流になった現代、安心して子どもを預けられるよう、保育士の配置や施設面で国の基準を満たす認可保育所を整えることは行政の責務です。

 しかし政府は今春、国の基準よりも手厚く保育士を配置している自治体に基準緩和を求めました。子どもを入所定員を超えて受け入れる場合や、延長保育のための職員は無資格者もよいとします。親たちのニーズに逆行しています。保育の質や安全を軽んじてはなりません。

 都市部では子どもの声が騒音とされて近隣住民と摩擦が起き、保育所を開設できない問題も起きています。地域と調和させつつ、どう保育所を増やすのかを考えていく必要があります。