子育てママ、ITが味方 福岡市天神で11人が講座修了 在宅ウェブデザイナーに

　育児と仕事を両立させたい女性が、在宅で勤務できるクリエイターにキャリアアップを目指します。子育て中の女性11人が、福岡市・天神のデジタルハリウッド福岡校の講座で、ウェブサイトの制作技術やデザインの基礎を習得。修了式を終え、在宅ウェブデザイナーとしてスタートを切りました。

　同校は昨年9月から、子育て中の女性を対象にウェブデザイナーの養成講座を始めました。女性のキャリア支援などが目的で、求人情報大手のリクルートジョブズ(東京)が講師派遣や授業料を補助。22～44歳の受講生たちは約半年、学校に通い、フォトショップやプログラミング言語、デザインについて学習。福岡市のサイトの改善も手掛けるなど実績を積んできました。

　4月末には受講生が一人一人、講座の修了課題を発表しました。ファーストビュー(閲覧者がウェブサイトで最初に見る領域)、コンバージョンレート(閲覧者が購買や会員登録に至った割合)。専門用語を駆使しながら、それぞれが企業に提案したサイトの改善案を講師陣に説明し、講座の成果を印象づけました。

　修了生の一人、小学1年生と3歳の子を持つ福岡市早良区の平野実子さん(37)は、派遣社員で大手のオフィス家具メーカーで事務をしていたが、長女の妊娠時に体調を崩し退職。その後は、ベビーマッサージの仕事をしたが「スキルを学び、収入の柱にしたい」と考えて受講しました。「仕事の進め方を学べた。子どもは急な病気もあるので在宅はうれしい」と利点を話します。

　修了生は、個人で企業のサイト改善の仕事を請け負うほか、チームを組んで自治体や企業から仕事を受注しています。高橋政俊校長は「子どもを持つ女性ならではの、丁寧さや発想がデザインに出る」と期待を込めました。