保育士養成へ県が“奨学金” 学生ら対象、無利子で最大160万円
岐阜県は保育士を目指す県内の大学生や短大生に対し、学費を無利子で貸す制度をつくりました。15日に募集を始めます。卒業後、県内の保育所で5年間働けば、返済は全額免除されます。待機児童解消に向け、保育士を確保する狙いがあります。
△出典:中日新聞
貸し付けは、県内の大学・短大九校の保育士養成課程の学生が対象。授業料、入学や就職の準備金などとして、最大計160万円を無利子で貸し付けます。年間で最大20人に貸します。卒業後、県外の保育所などで働く人には、返済を求めます。
4月1日現在、県内の保育所に入所する3歳未満児は約11,000人で、10年前からほぼ倍増しました。女性の社会進出に伴い、子どもが小さいうちから、保育所に預ける母親が増えたためとみられます。
一方、同日現在の県内の待機児童は23人で、すべて3歳未満。県条例の定めで、3歳未満の子を預かるには手厚く保育士を置く必要がありますが、必要な人員を確保できていません。
厚生労働省によると、2015年12月時点で、県内では保育士の求人が354人ありましたが、求職者は299人にとどまりました。賃金が低いことなどから、保育士不足は深刻化しつつあります。
岐阜県は、学生を経済的に支援することで、少しでも保育士を確保したい考え。担当する子育て支援課は「地元に就職してもらえるよう働きかけたい」と話しています。
本年度の募集は8月末まで。申し込みが定員20人を超えた場合は、親の経済力などを審査し、対象となる学生を決めます。