保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

保育士の年収が知りたい!安いといわれる理由と実態を徹底解明!

保育士の収入とは

 「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログが大きく取り上げられて、「待機児童」が社会問題として大きく知られることになりました。生まれてくる子どもに対して、預けることができる保育所の数が少ないことが根本的な問題です。その結果、出産後に働きたい女性が、子どもを預けることができないため、外で働けないということが大きな議論となっています。

 問題を解決するためには保育所を増やせばいいだけなので、どうして大きな問題となっているのか、わからない人も多いかもしれません。実は、簡単に保育所を増やすができないといわれています。保育所を運営するためには「保育士」が必要です。しかし、その保育士として働きたいという人が、少なくなっているといわれています。その原因には、「お金」の問題が隠れているそうですよ。

 今回は、低いといわれている保育士のお金にまつわる問題をまとめていきます。月々の給料から年収、どうして低くなってしまったのかなど、やりがいだけでは済まされない現実的な問題を一緒に考えていきましょう。

多くの人に関わる避けては通れない情報です

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△出典:UpIn

 保育士の給料というと、現役の保育士や将来なりたい人にしか関わっていない情報だと思っていませんか?上記でもまとめたように、給料が少ないということは、誰もやりたがらなくなってしまう可能性があるのです。つまり、ただでさえ少ない保育所がさらに少なくなってしまうことにも繋がります。どんな会社でも同じですが、働きたいという従業員がいなくなれば、会社は存続できないのです。

 また、保育所が少なってしまうことは、子どもがいる家庭だけに影響を与えるわけではありません。仕事ができる優秀な社員も、介護と同じように育児のために会社を離れてしまう可能性があります。退職にならなくても、残業や休日出勤といった、従来のような激しい仕事はできなくなってしまうかもしれません。さらに、子どもが仕事の足かせになれば、少子化はますます進行し、税金もどんどん釣り上げられていくかの可能性もあるのです。

 このように、たかが保育士の給料の問題でも、非常に多くの人の生活に多気が影響を与えてしまいます。他人事だと考えずに、日本の将来のためにもしっかり考えていくことが大切ですよ。

給料の平均はいくらぐらい?

 では、実勢に保育士が受け取っている給料はどれくらいなのでしょうか?幾つかの平均金額をまとめると、「約320万円」が年収となっているそうです。これを単純に1月あたりの給料に直してみると「約26万円」となり、この金額が分かりやすい基準となります。ただし、データによると「約20万円」が月給として受け取っているそうなので、「約60万円」がボーナスとして支払われているのかもしれません。

 一見すると高額に見えますが、このデータは「35歳」での金額です。似た年代の全産業の平均金額が「約490万円」となっているため、低くなっていることがわかります。さらに、実際の求人内容などを見ていくと「約17万円」という金額も多くなっているそうです。地域や年代によってはより安くなることも考えられるため、決して高い金額とは言い切れません。

 また、税金などを差し引いた手取り金額だと「15万円」を下回ることもありえますので、その低さをイメージできると思います。もちろん、給料が安いからといって仕事が楽なわけではありません。むしろ、子どもたちへのきちんとした教育や安全性などを考えなくてはいけませんので、非常に仕事量は多くなっているそうです。そのため、仕事量が多いのに給料は少ないという逆転した給与体系だといわれています。

男性でも変わらない?

 現在の日本でも残念ながら、男性と女性での給料格差が行われています。一般的には男性の方が多く、女性の方が少なくなっているそうです。では、保育士の給料も男性の方が多くなっているんでしょうか?

 確かに、保育士でも男性のほうが女性よりも高額な給料となっています。ただ、多いといっても年間で約20万円、1月あたり「約1万円~1万5,000円」の増額となっているため、そこまで大きく変わっていません。一般的に男性の職員だと将来的には経営側に回ることが多いため、高く設定されていることがあります。ですが、保育士の職場では大半が女性ですので、保育士間の給料には大きな差が生まれていないのかもしれません。

 もし、大きく給料が変わるとしたら「地域性」が大きな影響を与えるといわれています。保育所の収入は、単純に利用している子どもの総数によって決められているそうです。なので、人が集まりやすい都会なら利用者も増え、それにともなって収入も増えていくため、保育士の給料も上がりやすいといわれています。こうした地域格差による影響も大きいため、首都圏ほど保育士が足りなくなってしまうのかもしれませんね。

低いのはどうして?

 他の職業よりも保育士の給料が低いことは分かりましたが、これはどうしてでしょうか?実は、保育所の運営には「税金」が使用されているからです。ただし、全ての保育所に税金が使われているわけではありません。「認可保育所」という保育所が、税金が投入されている保育所になります。では、どのように税金が使われているのか確認していきましょう。

 認可保育所の保育料は「公定価格」という価格をもとに定められています。この金額は、国によって決められているため保育所ごとに保育料を決めることはできません。そして、利用者の収入などによって「個人負担の保育料」を割り出し毎月支払うことになります。この個人の保険料を公定価格から差し引いた金額を、税金で給付されるそうです。

 つまり、保育士の給料を上げるために保育所の収入を上げようとすると、今よりも多くの税金が必要になってしまいます。もしくは、利用者一人あたりの保育料を上げる事でも改善できる可能性はありますが、大元の「公定価格」が増額されないと、保育所の収入は増えないのです。こうした、国全体の基準が給料を安くしてしまう原因なのかもしれませんね。

高いことも悪影響が…

 さて、保育士の給料が増えることは良いことなのですが、それを良く思わない人も多くいるといわれています。それは、「利用者」です。近年保育所などの「ママ友トラブル」が大きく注目されています。このトラブルの中には、持ち物や自動車などで高価なものを所有していると、周りのママから良く思われないことがあるのです。実は、こうした非難の目は働いている保育士にも向けられているといわれています。

 実際に、保育士が普通自動車に乗っているだけで、保育所にクレームが入ることがあったそうです。自動車を購入できない家庭がいるので、「保育士も自動車を持つべきではない」「せめて軽自動車に乗ってほしい」といった、「配慮」を強要された人も多いといわれています。自分は毎日子育てしているのに、同じ子育てで高額なお金を稼ぐのは納得できないのかもしれませんね。

 保育所はもともとボランティアから始まった施設だといわれています。こうした福祉施設で高額のお金を稼ぐことに抵抗感を感じる考え方も、保育士の給料アップの妨げになっていると考えられているそうです。

私立と公立では違う?

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 △出典:UpIn

 よく保育所には「私立」と「公立」という2種類に分けられます。そもそも、どんな基準で分けられているのかもイメージできない人も多いそうです。では、保育所を私立と公立に分けたときに、どのような違いがあるのでしょうか?

 まず、「認可」を受けた、受けていないかで分けることができます。記事内でもまとめたように、認可を受ければ税金による補助が受けられるため、公立といえるでしょう。この認可とは、自治体が定めている施設の広さや人員などに適合している場合のみ対象となります。ある意味で保育所の安全性を確かめる材料なのですが、一方で細かい保育に対応できないというデメリットがあるのです。

 そして、認可されていないことが大きなメリットになる「認可外保育所」は税金の対象外となるため、私立と考えられます。この認可による給料の違いは…あまりないそうです。認可外の場合も「公定価格」によって、保育料が決められています。そのため、利用者の負担は大きくなりますが、保育所の収入としては変わらないのです。