伊那市「ふるさと納税」で文庫と遊具整備
伊那市美篶出身の草野和幸さん(84)の「ふるさと納税」による寄付金で整備した同市の美篶公民館図書室の文庫と美篶、美篶西部両保育園の遊具が完成し、8日、草野さんが視察に訪れました。市はふるさと納税が寄付者の意向に沿って有効に活用されていることを説明しました。
△出典:長野日報
草野さんは高校卒業後、上京。現在は東京で冷熱機器を中心とした設備関連機器とそれらの制御システムを提供するエンジニアリング商社の代表取締役会長を務めています。「年齢を重ねるにつれ、ふるさとへの思いが強くなった」といい、美篶の振興に役立ててほしい―とふるさと納税を通じ市に寄付しました。
市は草野さんの意向を踏まえ、地域の将来を担う子どもたちのために寄付金を活用。同公民館図書室には「草野文庫」として物語、調べ物、伝記など200冊以上をそろえました。事業費は約50万円。また、両保育園には園児たちが登って遊ぶ「はっくつクライム」という遊具を整備しました。事業費は約190万円。
草野さんは「子どもが増えないと地域は活性化しない。心身とも丈夫な子どもに育って、ふるさとを思う大人になってほしい」と話しました。保育園では園児たちの歓迎を受け、目を細めます。
総務省の発表によると、2015年度のふるさと納税による同市への寄付額は約25億円8,300万円で、全国8位となりました。市は今後も有効な財源として積極的に取り組んでいく方針です。