保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

待機児童、公約競うが… 財源など重い課題も

 

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 ▲出典:中日新聞

保護者が希望しても子どもを保育所に預けられない待機児童の解消策が、参院選の争点の一つとなっています。「保育園落ちたわ。どうすんだよ 私活躍出来ねーじゃねーか」と、政府の対応を過激な口調で批判した匿名のブログをきっかけに、与野党が受け皿確保などの対策を競い合います。消費税の10%への増税が再延期され、財源を確保しながら有効策を打ち出せるのか、政治に重い課題が突きつけられています。

 「子どもの声がうるさい」「路上駐車が増える」

 4年前、名古屋市東部の住宅街であった私立保育園の新設に関する地元住民への説明会。「定員60人の新しい園をつくりたい」との園側の説明に、住民から反対が相次ぎました。園側は「防音ガラスなどの対策を取る」と理解を求めましたが、聞き入れられませんでした。計画は中止され、今はその場所に真新しい家が立っています。

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 ▲出典:中日新聞 

 「静かな住環境を求めて引っ越してきた。どうしても受け入れられなかった」と話すのは、反対派の一人だった近所の主婦(55)。訴訟も辞さないという住民もいたといいます。一方、園側の一人だった男性は「反対されれば断念はやむを得ない。需要が多い地域だっただけに残念」と振り返ります。

 待機児童は都市部を中心に多い傾向にあります。名古屋市の今年4月現在の待機児童はゼロ。しかし、統計上の数字には含まれないが、希望の保育所の利用がかなわない「隠れ待機児童」は585人(前年比39人増)に上ります。国全体の隠れ待機児童は昨年4月時点で6万人いるといいます。困難な受け皿整備とともに、待機児童解消に必要なのが保育士の確保。ですが、こちらにも暗雲が垂れ込めます。

 厚生労働省によると、保育士の有効求人倍率は今年4月現在、全国平均で1.62倍(前年同期比0.32ポイント増)。中部地方では、滋賀が2.00倍(同0.45ポイント増)、福井が1.83倍(同0.69ポイント増)と全国平均を上回ります。ほかに岐阜1.32倍(同0.27ポイント増)、愛知1.12倍(同0.23ポイント増)などと、いずれも昨年よりも人手が不足しています。

 こうした要因の一つが待遇の悪さ。民間事業所で働く保育士の平均賃金は月額22万円弱で、全職種の平均より11万円安い数値です。

 政府は当初、消費税増税分のうち、1.3兆円を子育て支援を含む社会保障の充実に充てる計画でした。増税は再延期されたが、「ニッポン一億総活躍プラン」でうたう「2017年度末までの50万人分の受け皿整備」「保育士給与の2%引き上げ」などは、看板政策として先行実施するとしています。

 保育コンサルタントアイギス」(東京)の脇貴志社長(43)は「保育所の騒音問題がある中、新設が簡単ではない。保育士給与の2%引き上げ程度で、人材を呼び込むことも難しい。消費税増税を再延期した今こそ、長期的な視野に立ってあるべき姿を語るときだ」と指摘します。