保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

乳幼児期、楽しみましょう…こどもみらい館永田萠館長

 乳幼児の子育て支援施設「こどもみらい館」(中京区)の館長に、絵本作家の永田萠さん(67)が今春就任した。昨年、同居していた孫の保育所探しを経験したこともあり、「子育て中のお母さんらを支える施設。ぜひ立ち寄ってほしい」と呼びかけます。

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こどもみらい館永田館長(中京区で)

 ――就任2か月余りの感想は。

「本業の絵画については大小年2回程度の展覧会があり、館に出勤する日は早朝と帰宅後、深夜までキャンバスに向かっている。何とかペースがつかめてきた」

 

 ――就任の経緯や意気込みを聞かせてください。

 「館は長男の母校があった場所にできている。私も、孫と一緒に通っていたこともあり、地域へのご恩返しと引き受けた。絵や本は、人間の心の栄養になる。絵を描く立場として、子どもの心の成長を促すと同時に、お母さんの悩みに向き合い、穏やかな心境をもたらす施設を目指している」

 

 ――施設の役割や魅力は。

 「来館するのは保育所などに通っていない子どもとその保護者が多い。おもちゃの取り合いなどのやりとりを通じて親同士が交流するなど、親の孤立防止にもなっている。保育士の経験があるボランティアは、近所のおばちゃんのように助言してくれる。深刻な相談は施設内の心理カウンセラーや保育専門家につなげ、段階的に育児をサポートする仕組みが確立している」

 

 ――お孫さんが保育所に入所するための活動で、何を感じたか。

 「現場の保育士は、子ども一人ひとりに合わせて辛抱強く向き合う重責を負っており、報われる処遇改善が必要だ。入所選考に漏れて仕事を諦めざるを得なかった母親にも、やりたかった夢や願いはある。女性の活躍には『働きやすい環境』と『育てやすい環境』の両輪を整えないといけない」

 

 ――館の課題は何か。

 「交通の利便性や情報格差の面から、施設を最大限に利用できる人と、存在さえ知らない親がいる。必要な人に届けるにはどうしたらいいか。誰もが安心して育児できる環境作りのために頑張りたい」

 

 ――育児中の親へ一言。

 「親になれば、子どものいる人生を途中で下りるわけにはいかず、重いものを背負い続ける。その中でも、乳幼時期はあっという間に過ぎる貴重な時間だ。思い切り楽しんで、人生の豊かな時間にしてほしい」

 

 ◇ながた・もえ 兵庫県生まれで、京都市在住。イラストレーター、絵本作家。豊かな色彩で描く妖精画などが有名。成安造形大客員教授。1987年にボローニャ国際児童図書展青少年部門グラフィック賞を受賞しました。