保育ニュースまとめブログ

保育に関連するニュースや記事をまとめたブログです。保育士さんや幼稚園教諭さん、子育て中の保護者の皆さん、保育に関心をお持ちの方々にぜひ読んでいただきたいです。

子どもの叱り方…カッとしたら時間置く

 北海道の山中で、小学二年生の男児が親に置き去りにされ、その後保護された出来事で、しつけのあり方が改めて注目されています。子どものしつけについて悩む親は多いです。叱り方や怒りの対処法などについて専門家に聞きました。


 「子どもをどう叱ればいいか、悩んでいる」と話すのは3歳と6歳の子どもがいる横浜市の会社員の女性(39)です。外出先で騒いだり、あいさつができなかったりする時に、きつく怒ってしまうことがあります。注意を聞かないと暗い部屋に閉じ込めたことも。「置き去りにした親の気持ちもわかる。夫の帰宅は深夜。一人で子育てをしていると、余裕がなくなってしまう」と語りました。

 NPO法人「子育て学協会」の2013年の調査(6歳以下の子どもがいる親約1,000人、複数回答)によると、育児の悩みは、「感情的に叱ってしまう」が35%で最多だった。以下「食事の好き嫌い」24%、「叱り方がわからない」20%と続いた。

 神奈川県茅ヶ崎市は2009年から、子どもの叱り方や褒め方を教える市民向け講座を開いています。講師を務める一人で同市こども育成相談課の渡辺めぐみさんは、「暴力や家から閉め出すなどは、一見効果があるように見えても、何がいけなかったのか子どもはわからないままのことが多い。親の行動もエスカレートしやすい」と指摘します。

 子どもが石を投げるなど危険なことをした場合、まず制止し、「(嫌なことがあって石を投げたのなら)口で言おうね」などと言葉で説明します。

 子どもの行動にカッとした時はどうすればいいでしょうか。父親の育児を支援するNPO法人「ファザーリング・ジャパン」理事の棒田明子さんは、気持ちを落ち着かせるために一時その場を離れたり、時間を置いたりすることを勧めます。「子どもが小学生の頃、感情的になった時には、一人で台所に入り、冷静になる時間を作った」。一方、子どもが興奮して、親の話を聞けそうにない時には、「話せる準備ができたらお母さんのところに来て」と言って落ち着かせたといいます。

 「子どもの内面も理解してほしい」と訴えるのは、立教大学教授、浅井春夫さん(児童福祉論)です。「落ち着きがなかったりいたずらを繰り返したりと、大人の目に『困った子ども』と映る子どもは、衝動を抑える方法や適切な振る舞い方がわからず、自分でも困っていることが多い」と指摘。言葉にできないいらだちを感じているような場合は「『学校で嫌なことがあったの?』などと話しかけ、原因に気づいてあげることも大切だ」とアドバイスします。

 東京学芸大学付属幼稚園園長で同大教授の岩立京子さん(発達心理学)は、「叱るだけではなく、褒めることもセットに」と助言します。日頃からよく褒めてもらったり、親との間に楽しい思い出をたくさん共有できていたりする子どもほど、大好きな親から受けた注意が心に響くといいます。

 岩立さんは「親も社会も、子育てにすぐに結果を求め、子どもの成長や変化を待つ余裕を失っている。成長には時間もかかることを理解してほしい。子育てに悩んだら、周囲の人や地域の子育て支援センターなどに相談し、一人で抱え込まないで」と話しました。

 

子どもの権利、海外では敏感

 海外で、しつけのため子どもを置き去りにしたらどうでしょうか。ニューヨークでの子育て経験がある海外生活カウンセラーの福永佳津子さんは、「危険を回避する能力がない子どもを、親の保護が及ばない場所に置き去りにするのは、アメリカなどでは刑事事件になる場合がある」と話します。

 「日本には『家の外にいる子どもでも、誰か大人が見ていてくれる』と信じる文化がありますが、一般に海外では『子どもの安全は親が守る』というのが常識」といいます。アメリカに住んでいた日本人夫婦が、眠っている子どもを乗せた車をスーパーの駐車場にとめ、短時間で買い物を終えて戻ってみると、警察官が窓をこじ開けて子どもを助け出していたという事件もあったそうです。

 日本では、街中で、子どもをたたいたり、言うことを聞かない子を置いて歩いて行ったりする光景を見ることがあります。「海外は、子どもの権利に敏感で、刑事事件となる可能性がある」と福永さん。

 子どもが他人にケガを負わせるような危険なことをしている時、海外ではどのように注意すべきだと考えるのでしょうか。「子どもの手を取ってやめさせ、その行為がなぜいけないかを目を見ながら言って聞かせるでしょう」。いい叱り方については、海外も日本も大きな差はないようです。